ゴルフ医科学研究所 「ゴルフを物理公式で解明」 投稿その1
スポーツに対する科学的なアプローチが当たり前になりつつあります。
過去のゴルフ理論は、全て科学的に数式で解明できるのではないかと思い、ここ数ヶ月、過去のさまざまなレッスン本やDVDをみてみました。
連載にしますので、いくつ数式が出るか、楽しみにしてください。
飛距離に関わるファクターとしては、スイングプレーンを合わせることをまず前提としたのち、以下の三要素を考えれば良いことになります。
1)打ち出すまでのクラブとシャフトの力学的な動き
2)ヘッドからボールへの力の伝達
3)ゴルフボールの力学的な動き
をそれぞれ分析して、解決策を考えれば良いことになります。
文責 医師 医学博士 工学博士 薬学博士 藤本幸弘
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まずは、「打ち出すまでのクラブとシャフトの力学的な動き」
について。
バックスイングによって作られる、シャフトの「弾性エネルギー」とヘッド高の「位置エネルギー」によって蓄えられたエネルギーを重力加速度と遠心力によって「運動エネルギー」に変換
さらに、速度を上げるためには、フィギュアスケーターがスピンをするとき、伸ばしていた手足を縮めると回転スピードが上がることを想像して貰えば良いのですが、物体との半径が短ければ短いほど、速度は上がります。(ケプラーの第二法則:惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定である)
ヘッドをなるべく身体の中心より離してトップを作り、体を捻ることで両腕を体幹に巻き付け、インパクトの瞬間にヘッドと体幹の距離を短くする意識が大切です。
つまり理想的なスイングは、「正円曲線」ではなくて「サイクロイド曲線」である事を意識した方が良いということになります。
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参考までに、物理のおさらい。
力学的エネルギーとは
位置エネルギー,運動エネルギー,弾性力エネルギー
の総計です。
外力がない場合、力学的エネルギーの和は一定になります。
これを力学的エネルギー保存の法則(保存則)といいます。数式では、
mgh + 1/2 mv(二乗)+ 1/2 kx(二乗)= const(一定)
で表すことができます。
m質量 g重力加速度 h高さ
v速度 k弾性係数 xバネ自然長からの変化長
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つまり、バックスイングする際に充填されるエネルギー総量は
垂直方向では、
スイング時のヘッドの高さ (高いほうがエネルギーが大きい)
スイングプレーン方向では、 シャフトのしなりによる弾性エネルギーを最大にする (十分にシャフトをしならせたところで切り返す)
遠心力を最大にする (向心力に負けないように、回転軸の焦点をブラさない)
ことで、理論的に最大限にすることができます。
つまり、初動で力を加えるのは切り返しの時だけで、腕で押すスイングはダメです。
そして、初動速度をいかに早く作るか。
ここで関わるのは、てこの原理です。
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てこを使う上で重要なのは、支点・力点・作用点の位置関係です。
てこで大きな力を得ようと思えば、なるべく支点から離れたところに力点を置く、あるいは支点のなるべく近くに作用点を置く必要があります。
支点から力点までの距離が支点から作用点までの距離の2倍であれば、得られる力は加えた力の2倍になることがわかる。
こちらを数式で表すと、
d1F1=d2F2 となります。
d1 支点と力点の間の距離
F1 力点に加える力
d2 支点と作用点の間の距離
F2 作用点で得られる力
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では、クラブヘッドを手のひらで切り返すときに、どこを支点として考えればよいでしょうか?
これは、個人差があるとは思いますが、クラブを握った左手(右振りの場合)の小指側です。
ここにてこの原理を働かせる意識で切り返すと初動速度が上がります。
初動速度に加えて、重力と遠心力との合力で、自然にヘッドは加速します。
女性などで握力が弱い人は、てこの原理を利用できない。体幹の筋肉が弱い人はシャフトの捻りを身体で吸収できずに、力が逃げてしまいます。
つまり、大臀筋と、握力を鍛えることが大切です。EMスカスポーツが最も得意とする分野です。
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写真は古典的な名著、ベンホーガンのモダンゴルフです。
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